「朝ナポリに船で着いたら、まずはここでコーヒーを飲むのが外せないよ」と、よくおっしゃっていた方を思い出します。
彼のイタリアの知識も、イタリア語も、自分は足元にも及ばなかったけれど、いつも気取らずに接してくれるその姿勢に尊敬の念を抱いていました。
親しくされていた方々が次々と遥か遠くへ旅立たれるようになった頃から、お会いするたびに「まだ生きてるよ~。」と苦笑いされながら迎えてくれましたが、人づてに訃報を聞きました。
イタリア語で禁煙と壁に貼られた仕事部屋で、ゆっくりタバコの煙をくぐらせていた姿が記憶に焼き付いています。
天国でも、きっと皆さんと楽しくお喋りされているのでしょう。心よりご冥福をお祈りいたします。