ベネツィアで、ランチをしましょうよとお誘いいただいた。
この日のベネツィアはアックア・アルタ(高潮)で町が水に浸かり、予定が中止となったので夕方まで自由の身となった。
イタリアでの食事は出張先に用意された立食ブッフェやセットメニュー、もしくはバールやピッツェリアで軽食となることが多い。
イタリアのレストランにふらっと一人で入るのは苦手で、誰と一緒に食事をするかで気分も味も変わってくる。そこで長年お世話になっている地元のガイドに電話を入れ今日時間があるか訊ねると、それならお昼を一緒に食べましょうと すぐに話はまとまった。
ベネツィアの代表的な観光名所であるサンマルコ広場で待ち合わせ、前回はバカロに行ったので今回は少しゆっくり食事ができるところにしようとオステリアへ向かう。
行きたかったトラットリアは夜のみオープンで、次の機会にと約束したまま年月が過ぎてしまった。
ガイドはレストランのオーナーと顔馴染みだそうで、席に案内されるとすぐに冷えたプロセッコを用意してくれた。
親日家のウェイターが笑顔で今日のおすすめを説明しながら、「前菜にカノッキエなんてどう?」と提案した。
続いて「あれって日本語でガレージって意味なんでしょ?」と聞かれ、一瞬分からなかった。
canocchieは、蝦蛄 (シャコ)の意味だとガイドが教えてくれた。
あぁシャコ、だから車庫ね。なるほど。
ダジャレ好きなそのベネツィア人は、地元訛のベネト弁と貝の名前も少し教えてくれた。
注文を自分でメニューから選ぶのは久しぶりだったので、本日のおすすめが何か聞いてみる。
「日本人は色々少しづつ食べたいんだよね?」と言ってワインに合うテイスティングのメニューを見繕うというので、お任せすることで ようやく注文が決まった。
ランチには少し遅い時間で、アックア・アルタのせいもあって店内に人はまばら。
おかげでのんびり長居をして、店を出る頃は外の高潮も引いていた。








ヴェネツィアでよく食べられる魚介類のイタリア語
- イワシ sarde サルデ
- スズキ spigola スピゴラ
- ヒラメ rombo ロンボ
- マグロ tonno トンノ
- ホタテ貝 capasanta カパサンタ (複数形は capesante)
- ムール貝 cozza コッツァ
- カネステレッリ ※ホタテの小さいもの
- ヤリイカ calamaro カラマーロ
- モンゴウイカ seppia セッピア
- マテ貝 capalonga カパロンガ
- 手長エビ scampi スカンピ
- 小エビ gamberetti ガンベレッティ
- クモガニ granceola グランセオラ
- 小ダコ polpetti ポルペッティ